定期預金と投資信託のセット商品のカラクリ

定期預金と投資信託のセットは本当にお得?私たちが知らないカラクリ

私たちの身の回りには「セット商品」が溢れています。例えば、1個80円の野菜を2個一緒に買うならば150円にしてくれる、と聞いたらどうでしょうか。本来2個で160円かかる商品を150円で買えるのですから、わずか10円とはいえ、お得に買うことができます。

例に挙げたように、セット商品は魅力的です。通常で買うよりもお得に見えるように売られているからですね。しかし気を付けなければいけないのが、セット商品は必ずしもお得なわけではないことです。これは何もスーパーだけではなく、銀行でも扱われています。スーパーでは数十円から数百円の話で済みますが、銀行ではそうはいきません。何も知らないでセット商品に手を出してしまうと、万単位で「損」をしてしまうこともあるのです。

そこで今回取り上げたいのが、定期預金と投資信託のセット商品です。定期預金は元金が保証される安全な商品なので、着実にお金を貯めることができます。ですが、難点は利子がそれほど高くないということ。そこで銀行は、「投資信託という商品も付けて買ってくれるならば、定期預金の利子を高くしてあげます」という甘い言葉を私たちに投げかけるのです。

投資信託とセットになった定期預金商品では、通常の何倍もの高い利子が付きます。一度、セット商品の広告を見てみてください。「初回特別金利 年○%」などと大きく書かれた高金利の文字の近くに、「初めの3か月のみ」のような記述がありませんか? つまり、ほとんどの定期預金と投資信託のセット商品では、その魅力的な高金利は最初の3か月だけなので、その後の金利はずっと低くなってしまうのです。

でも、初めの3か月だけでも高金利ならば得なのでは?と思うかもしれません。さて、この話を聞いたときに知っておかなければならないのが、投資信託には「いろいろな手数料」がかかるということです。

投資信託とは、たくさんの投資家からお金を集めた金融機関が、そのお金を使って投資家たちの代わりに株式や債券などで運用し、その儲かった分の利益を投資家たちに分配するという商品です。もちろん投資信託は元本割れのリスクがありますし、「商品」なわけですから投資信託を購入する時にかかる手数料や信託手数料も払わなければなりません。

この購入時手数料と信託報酬が、大体いくら掛かるものなのか、計算してみましょう。このセット商品では、投資信託に必要なお金は定期預金と同額以上を払う必要があります。ここでは定期預金と投資信託にそれぞれ100万円、合計200万円つぎ込むことにします。購入時手数料、信託報手数料ともに数%かかりますが、ここでは購入時手数料が3.15%、信託手数料が2%かかることにしましょう。すると、投資信託を購入するだけで合計5.15%の手数料、金額にすると51,500円がかかってしまうのです。

一方で、定期預金の利子でどのくらいの利益が出るのでしょうか。100万円の定期預金で4%金利が3か月ですから、1万円の儲けになります。ところが、定期預金の利息には税金がかかりますから、税金を引けば実際の儲けは8,000円程度にしかならないのです。ここで、考えてみてください。8,000-51,500で-43,500円です。得をしようと思って買ったセット商品なのに、逆にお金を支払うことになっていませんか?

このセット商品のカラクリについては、日頃勉強をしていないと気付けるものではありません。投資信託にかかる購入時手数料も無料のところがあるのですが、セット商品ではまず必要になるといってよいでしょう。セット商品が一見お得のように見えて、実は銀行がしっかりと儲かる仕組みであることを私たちは理解しておくべきなのです。